市場連動とは

最近よく耳にする市場連動型プランの「市場連動」とは具体的にどういうことなのか?このページでは市場連動型料金プランについて詳しく解説します。

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市場連動型プランについて理解を深めるためには、まずは電力会社がどうやって電気を仕入れているかという基本的な仕組みを理解していただく必要があります。また、市場連動型料金プランがなぜこれまでに存在しなかったのか、そしてなぜ今業界で注目を集めているのでしょうか。

一般的な電気料金プラン(従量電灯型)の場合

現在、最も多くの人が契約している大手電力会社の料金プランは「従量電灯型」と呼ばれるもので、契約アンペア数に応じた基本料金と、ひと月に利用した電気の総量に応じた電力量料金がかかります。電力量料金が段階制になっていて、電気使用量が多くなるにつれて単価が上がっていくのが従量電灯型の特徴です。

東京電力エナジーパートナー従量電灯Bの料金表(税率10%)

単位 料金(税込)
基本料金 10A 1契約 286円00銭
15A 429円00銭
20A 572円00銭
30A 858円00銭
40A 1,144円00銭
50A 1,430円00銭
60A 1,716円00銭
単位 料金(税込)
電力量料金 最初の120kWhまで(第1段階料金) 1kWh 19円88銭
120kWhをこえ300kWhまで(第2段階料金) 26円48銭
上記超過(第3段階料金) 30円57銭

例えば契約電流が40アンペア、ひと月の電気使用量が430kWhだった場合、基本料金が1,144円、従量料金が11,126円で合計12,270円。これに燃料調整費、再生可能エネルギー促進賦課金を加えたものが、実際の請求金額になります。

電力量料金計算式:(120kWh*19.88円+180kWh*26.48円+130kWh*30.57円)=11,126円

市場連動型プランの場合

従量電灯プランは電力量料金の単価が決められているのに対して、市場連動型プランは単価が市場価格と連動して変動します。この「市場価格」という概念がこれまでになかった全く新しい考え方のため、「わかりづらい」と感じる人も多いかもしれません。ではこの「市場価格」とは一体何なのか。

多くの電力会社は、販売する電気の大部分を国内で唯一の卸電力取引市場「日本卸電力取引所(JEPX)」から仕入れています。もちろん、自社で発電所を保有していたり、発電事業者と直接契約をして電気を仕入れる場合もありますが、需要が多くなればなるほど、JEPXからの仕入れに頼らざるを得ないのが実情です。

電力業界ではこのJEPXでの電力の取引価格を「市場価格」と呼んでいます。

上のグラフは2019年10月7日のJEPXの全国平均取引価格(システムプライス)です。取引所は全国10エリアに分かれており、それぞれの地域によって取引価格が異なります。取引価格は電力需要に応じて30分毎に変動し、需要が高まると上昇し、それ以外の時間帯は変動が少ないのが特徴です。

従量電灯型プランではこの変動する仕入れに対して固定単価で顧客へ提供しているため、赤字にならないよう高めの電力量料金単価を設定していますが、市場連動プランでは変動する取引価格と連動して電力量料金単価を変動させるため、電力会社側のリスクも少なく、かつ安価での提供が可能という点で現在最も画期的な料金プランとして注目を集めています。

電力をお客様のご自宅へ送り届ける際には別途託送料金がかかります。
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市場連動型プランを可能にしたスマートメーター

市場連動型プランを可能にしたスマートメーター

市場連動型プランは、電力自由化後に登場した、これまでにない全く新しい料金プランです。それを実現可能にした、立役者とも言えるのがスマートメーター(次世代電力量計)です。

従来は各家庭に設置してあるアナログメーターで電気の計量を行っていましたが、電力自由化に伴い、電力メーターがスマートメーターに切り替えられます。これまでのアナログメーターでは電気の総使用量しか計測が出来ませんでしたが、デジタルのスマートメーターに代わることで30分単位の電力消費量を取得できるようになります。この30分値が取得出来るようになったことで、市場価格と使用量の30分毎のマッピングが可能になり、「市場連動型」というこれまでになかった全く新しい料金プランが誕生したのです。

市場連動型プランのメリット・デメリット

市場連動プランは電気の市場価格と連動するため、市場の価格変動の影響を直接受けます。市場連動型プランを検討するにあたって、きちんと市場連動型プランのメリットとデメリットを理解しておきましょう。

メリット① 単価が安い

市場の変動具合と電力会社が手数料をいくら乗せるかにもよりますが、市場連動型プランの従量単価は年間を通せば一般的な電気料金プランよりも安くなりやすいです。

メリット② 節約効果が大きい

従量電灯プランではいつ節約をしても単価が固定のため節約効果は限定的ですが、市場連動型プランの場合単価が高い時間帯に節電することでより大きな節約効果を生むことが出来ます。

メリット③ 環境意識の向上

普段はほとんど気にかけることがないであろう国内の電力需要。脱炭素社会に向けて、日々の電力需要を意識することが利用者の環境意識の向上に繋がると私たちは考えています。

【デメリット】
市場連動型プランのデメリットは、市場の影響を直接受けることによる変動リスクです。年間を通せば安定はしているものの、夏場など一時的にスポットプライスが高騰した場合、電気代がその時期は割高になる可能性があります。市場連動型プランを検討する際は、変動リスクを理解した上で、年間を通したメリットを見ていただく必要があります。

ダイレクトパワーの市場連動型料金プラン

当社の「ダイレクトS」「ダイレクトM」では、スポットプライスにお客様のご自宅に電気を送り届ける際に利用する一般送配電事業者の送配電ネットワークの利用料金(託送料金)を上乗せした単価と、お客様の電気使用量の30分値をかけ合わせたものを、電力量料金として徴収しています。

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市場連動型『ダイレクトS』

従量料金を市場価格で提供する「市場連動型」料金プラン。日中あまり電気を使われないご家庭でメリットのでやすい料金プランです。

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市場連動型『ダイレクトM』

ダイレクトSと同じ「市場連動型」料金プラン。電気の使用量が多い店舗や事務所は電気料金の大幅な削減が期待できます。